sonzaiに向けて③

sonzai に向けて、

私がどのようにしてこの舞台に出演することになったかを書くことにしようと思ったら

自然と火事の振り返りになってしまった。


「お疲れ様」「頑張ったね」「おめでとう」

自分で自分を労う言葉をかけて

自分で自分を祝福する。


オトナになると、誰も褒めてくれないし、

頑張ったね!なんて言ってもらえないものだから

いつの間にか「自分なんて何にもできていない」って

過小評価して縮こまりがち。


本当はただ在るだけでそれでいいのに。


家が燃えてしまってから、物資を送ってくれる人との連絡、

手伝いに来てくれる人の連絡、片付け、役所との連絡。

物資をもらいに行く手筈。


とにかく事務仕事がいつも以上に増えた。


「ありがとう」「申し訳ありませんでした」

「申し訳ありません」「ありがとうございました」

「ごめんなさい」

ただただ頭を下げ続けて、メールを返信し続けて

仕事をし続けた。


「頑張ってね」と言われることにもだいぶ疲れてきた。


すでにお金をいただいてしまっていたヨガコースも終わっていなかったので

当然私は仕事も続けなければいけない。

仕事を通して喜んでくれる人の声が聞こえることは

私の唯一の希望だった。


先の人生が全く見えなかったので、

「とにかく期限以内にいろんなことを終わらせて

 次の動きが取りやすいようにしよう。

 私が頑張ればなんとかなるのだから。」


ということで、早急にライブ配信の道具を用意して

朝の5:30からのヨガの配信を続けながら瓦礫の撤去をする日々。


レンがショックで夜中に幻覚を見てうなされるようになり

眠れぬ日々が続いた。


何週間か経った時、

「これを1年くらいやり続けるなんて無理!」となった。


業者に頼もうと見積もりを出したら

300万円から400万円は最低限かかるとのこと。


スタジオ運営のみで回している我が家には

瓦礫の撤去に300万円を払える余裕はなかった。


「やるしかない」


再び気合を入れて、だけど二人で手作業で続けるのには限界があるから

もうユンボとトラックを入れてやることにした。

SNSで「重機の免許があって、集中的に手を貸してくれる人」を呼びかけた。


そこで手を上げてくれたのが

沖縄の山原のサトシくんだった。


正確にはサトシくんの奥さんのみみちゃんが

「うちの夫なら行けそう!!!何かできることで力を貸したいから夫を使って!!」

って名乗り出てくれた。


サトシくんは被災地支援を熱心に行なっていたひとで

災害があると飛んで助けに行っているうちに、

ボランティアのリーダーとして被災にあった家の片付けをしていて

それが半分仕事のようになっていたそうだ。

ちょうど先月ユンボの免許も取ったそうで

みみちゃんのいう通り、これ以上の的人はいないと思えた。


具体的に助けてくれる人が欲しかった私たちは

本当に嬉しかった。


「会ったこともない人に来て助けてもらうなんて!!」

すでにいろんな方にお金をもらったり、

手作りの梅干しや味噌や食料をもらったり、もらいっぱなしで、

遠慮したかったけれど、近くでこれそうな人もいなかったので


「お願いします!!!」

と甘えてしまった。


子ども4人をおいてサトシくんはすぐにやってきてくれた。

みみちゃんはワンオペ4人育児を引き受けてくれた。


そこからが怒涛の2週間。


重機は借りる日数で代金が決まるから、

その経費を抑えようと休みを入れずに動き続けた。


どれくらいで終わるかの予想も立てられなかったけれど

とにかくなるべく早く返すために、

3人で朝から晩まで1秒でも時間を惜しんで動き続けた。


とはいえ、みんな素人だから手探り状態。

どうやったらいいのか、ベストを探りながら3人でただただ考えて動く。


とうとう家の柱が全部崩れた時、

ものすごい瓦礫の山が目の前に現れて

反対側の景色が見えなくて、私は泣いた。


「無理です。できません。3人でこんな山、終わりっこありません、」


泣いたら雅人くんが動いてくれて、助っ人が来てくれた。

なんと解体のプロ!!

ワイヤーロープを使って大きな柱を集めて

2トントラックに乗せる技を教えてもらい

一気に何本もの大きな柱が片付き始める。


「行ける。やればできる。これならなんとかなる。」


どの道にもずっとやってきたプロってのはいる。

プロはいい方法を知ってる。


トンパックっていう袋を駆使し始めて

なんとなく流れが掴めてきて

やれば終わるって希望が見えて、今度は嬉し涙。


大きな灰の山に分け入って、分別分別。

動き続ける。


蓮を幼稚園に連れて行き、4人分のお弁当を作り。

朝ごはん、夕ご飯、蓮のお迎え。

朝のヨガ配信。


火事から全く湧かない食欲とは裏腹に

義務感だけでご飯を作り続けながら

止まったら動けなくなっちゃうから

眠れない日も、動きたくない日もただただ灰と向かい合う。


この頃から咳は止まらず、

鉄板入っている靴を履いても釘が足に刺さったりする。

熱中症で手は痺れるし、いつもふらふら。

けどとにかく鬼になってやり続ける。


真っ黒な顔と服でそのまんま幼稚園のお迎えに行く私を

「ママ汚くて嫌だ」

っていう蓮に、ちょっと泣いちゃったり。


そんなこと気にする余裕もないから

真っ黒のまんまスーパーに行って買い出し、

夕飯の支度に急ぐ日々。



解体作業が終盤に差し掛かる頃、

3人で作業をしているときにサトシくんが言った。


「沖縄においでよ。ここで無理して頑張らなくていいよ。」


土地を手放す、責任を手放すなんて発想になかった私には

思いもよらない提案だった。


一晩考えて、そんなことは無理だと思ったけれど、

「僕は行きたい」という雅人くんの声もあり

二日たったらその発想にも馴染んできた。


そうしたらなんだか気持ちが軽くなった。


「よし、作業を終わらせて沖縄へ行こう。」


それを一つの希望にして3人の作業は続いた。



私が嘆いてしまったことで

ありがたいことに手伝いに来てくれる人がちらほら現れた。


人手が一つあるだけで二本腕があるわけで

そうするとどれだけ作業が進むことか!!


人足ってすごい。


ほんの1時間でも来てくれて

少し進む時間が早くなるだけで幸せになれる。


3人だとちょっとも休めなかったけれど。

誰かが来てくれると、ちょっと浮いた時間でアイス食べようとか、

休憩しようとか、余裕も生まれる。


一気に軽くなる。


なんでもどんとこいな私で、滅多なことではへこたれない私だけれど

熱持ちすぎて、

その度にその辺の葉っぱを頭にくっつけたり

首に巻いたりして熱を逃した。


顔中熱が上がりすぎて、日焼けもしすぎて

灰とかで皮膚も傷ついたみたいで

謎の顔の腫れ。


でも、結局やればできる。

やれば終わる。


解体業務はつくづく向いていなかったけど

持ち前の明るさと楽しくする力で

できる限りみんなで楽しく、

できる限り楽しいことをやっているように自分を洗脳して。


実際、たくさん笑った。


とにかくやり遂げた。

出し尽くした。


「何にも無くなった。けど、生きてる。」


それだけだった。


それからはちょっともう自分でもわからない感覚。


悲しいでもない、辛いでもない。

何にも欲しくない。

何にも期待しない。

何もやりたくない。

受け入れる。

ゼロ。


本当に手放しの世界だった。


そして作業を終え、役所周り、近所の挨拶回り、

畑の撤去、

たくさんの後始末を終えて、

私たちは沖縄のサトシくんの家に遊びに行ったのだった。



*528Hzのヒーリングボイス

*周波数に働きかけるシンギングリン

*ハートを開くチェロ

*瞑想的ダンスによる

覚醒舞台「sonzai」


五感全てに働きかける体験は

あなたの中に眠っているナニカを呼び覚ます。

小さな子どもにも体験してもらいたい夢の世界。


sonzai | halcony

HOMEsonzaiハルコニーのおんがく教室xiang xiangBLOGMUSICCONTACT 2021年12月3日(金) 午後6時30分開演(午後6時開場)  @南城市文化センター シュガーホール 沖縄県南城市佐敷佐敷307   ​  ~~~ s o n z a i ~~~  ​「永遠の森へのオマージュ」、「声と星のゆりかご」に続くhalcony三度目の創作舞台 声と、木からうまれたてのウクレレチェロ、舞、シンギングリン「香り」「色」「空間」「音」「波動」観客を覚醒に導く五感すべてに響く一夜​​​出演 halcony(vo. ukulele) Lata Tomoko Tanabe(dancer)Hama Yugen (cello)Yayoi Terashima (singing ring)promotional videovol.1  -umi-promotional videovol. 2  -LATA-promotional videovol.3  -Being-promotional videovol.4  -ring ring-あなたは偶然の産物ではない。存在があなたを必要としている。あなたがいなければ、存在の中でなにかが見失われ、代わりをつとめることは誰にも出来ない。 𝘌𝘟𝘐𝘚𝘛𝘌𝘕𝘊𝘌  [存在]𝖮𝗌𝗁𝗈 𝗓𝖾𝗇 𝗍𝖺𝗋𝗈𝗍他の誰も 代わりのきかない唯一 今 在る あなた 私 ほころび ほぐれ ヨロコビ うけいれ  何者にもならなくていい 在るだけで それでいい。   ​  香り、色、空間、音、波動 五感すべてに働きかける halcony 三度目の創作舞台 木からうまれたてのウクレレと、ボイスヒーリング そしてチェロ、シンギングリンの倍音共鳴と踊りの躍動感を肌で感じ ただ、観て楽しむだけでなく そこにいるだけで 修復され 浄化される サウンドバスが沸いている​ 音 浴 音 泉 どうぞ 深くおくつろぎください母がピアノ講師だった為、3歳から習いはじめる。幼き頃より発表会を多数経験するが一時は音楽を離れ2000年沖縄へ移住。出産後、2007年 歌手活動始動。「UA」band コーラス参加(11)紅型絵本「やどかりの夢」の挿入歌「やどかりの夢」を歌い 「金沢文庫芸術祭」出演。南城市交流事業フィリピン公演(17) 国際交流基金インドネシア国交60周年バリ公

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