オーロヴィル

スリランカのホテルを出たのは16時。車に乗った途端にレンが眠ってしまい、突然おねしょ。
もう寝るときもオムツをしていないくらいオシッコに関しては成長していたので、
私の膝の上であったかいおしっこを全開で出すレンにびっくり。
ドライバーさんに相談するも、渋滞で車は動かないし、ローカルなゾーンに入っていたので
トイレは当分ないとのことなので空港までの1時間半ほど、
私とレンはおしっこまみれのまま過ごす。

空港に着くまでぐっすり眠ったレンを起こし、チェックインを済ませやっとトイレへ。
服を着替え、ホッと一安心。その後も順調に飛行機に乗り込む。
レンもやっと「飛行機に乗る」ということがわかってきたので、
待っている時から「レンレン、早く飛行機に乗りたい!」とずーっと興奮して飛行機を見ている。
お土産やさんで楽器を見つけて全力で演奏する。
近所で買ってきたフライドライスのお弁当(なんと一人一つお弁当を買ったのでレンの分もひとつ)を嬉しそうに自分のスプーンでもぐもぐ食べて
「お腹いっぱい」と「お腹すいた」を繰り返している。

今までは抱っこ紐ににぶら下がってくっついているだけだったけど、
だいぶ自分の意思で楽しむようになっていることが嬉しい。

チェンナイ空港に着くと、ガネーシャをはじめとした神様がいっぱい。
「ガネーシャいた!」
「ママいた!」
神様の像を見ていちいち止まって、いろいろ教えてくれる。
時に「なもー」と拝む。
ガネーシャがいたときは私に「ガネーシャシャラナン」を歌ってくれと頼むのでひとしきり歌う。
私達は今回インドの5年ビザが取れたので専用のカウンターへ。空港はだいぶハイテクで綺麗のなっている。
おじさんがハイテクな機械に慣れていないので指紋をとったりするのになかなか時間がかかるけれど、そんなのんびりな対応にもインドに来たんだなぁといやされる。
22:30。空港を出るとお友達が呼んでくれていたドライバーさんがすぐに私達を見つけてくれたのですぐに車に乗り込む。(子連れの日本人はなかなかいない)
3時間のドライブ。私は後ろの席にレンを抱っこして横になり、すっかり眠る。
一度も起きずに氣づけばオーロヴィルに到着。
車を降りるとそこは森の中。
虫の声、鳥の声、葉っぱの音。
風、土の匂い。
あぁここはやっぱり守られている、
魔法がかけられた場所なんだと
不思議な安堵感が湧き上がる。
今回お世話になるのは友人の友人の家。
去年も一度遊びに来ていた。
娘さんがドイツの学校にバイオサイエンスを勉強しに行っており
お母さんは(この人が友人)一人なのでたまに家に人を泊めたりしているらしい。
彼女自身は最近、私達もお世話になっているとても仲のいい友人と一緒に
低賃金農家を支援し、人権を守り、農家から食卓やレストランをつなぐビジネスを始めた。
到着した次の日も農家から適正な価格で買い取ったミルク(もちろん手絞り)で
チーズを作っていた。
市販のチーズは化学合成された菌で発酵させているらしいけれど、
彼らが使っているのはナチュラルな菌だそう。
しかも可愛いのが、ミルクに菌をまく時にマントラを描きながら撒いたり、
ボトルに「Love」「peace」とか素敵な言葉を書き
そのボトルに入れた水を使ってチーズを作っていること。
しかもそれを企業秘密としてバラさないようにしていること!
自分より年上の人達が真剣にそんな風にものつくりをしているなんて胸キュン。
とにかくこのチーズは美味しい!
今まで食べたどのチーズよりも美味しい。
まずミルクの味が濃いし、香りも豊か。

実は到着した翌日、助成金のためのビジネスモデルを作りミーティングに参加したのだけれどすごく面白かった。私が豆などのプラスチックバックを使わない量り売りを提案したら、彼女はゆくゆくはギフトエコノミーのお店をしたいという話をしてくれた。
南インドの森の中の小さなお家の中で
こんな素敵なそして真剣なミーティングが行われていていて
世界が動こうとしているなんて、誰が想像できるだろう。

だけどオーロヴィルではこれがあたりまえなんだ。
みんなが世界をよくするにはどうしたらいいだろうと普通に考えていて、
現代のシステムに対する素朴な疑問を解決するために行動をおこしている。
新しいシステムを作るために、アートとして
ビジネスや暮らしにさまざまなアプローチを試みている。
受け身ではない生き方。
自分たちの思考が世界を創造しているのだという感覚。
働くこと、ビジネスを起こすことを
最高に有意義なものとして楽しむこと。
経済的利益よりも、愛を優先させること。
それがみんなにとって当たり前であることが
オーロヴィルのチャレンジであり魅力。
まだ到着して2日目だけれど
3人の友人に再会し
2人の新しい友人ができた。
この2人の新しい友人は日本から来ていて、もう何年もオーロヴィルに通っているそうだ。
そしてこの活動を知ってもらうべく、オーロヴィルに人を連れてきたり
プロダクトを日本に紹介して販売したりしている。
そんな彼らもtamavilleというコミュニティを作り始めていて
強くイメージを共有できる仲間を増やすためにオーロヴィルに人を連れてきて
現実化を促進しようとしている。
彼らも私たちが日頃思っていることと同じことを言っていた。
コミュニティ作りをする時、どうしても建物を建てて行くことが必要で
それには同じ価値観やビジョンを持っていることが必要で
そうでないと微妙な経済感覚のズレや、地球意識の感覚の違いから
経済を優先させすぎたり、エゴイスティックな想いを優先させすぎたり
生まれてくるものに違和感が生まれてしまう。
今、地球に寄り添うために、何が必要でどう進めていったらいいか
本当にそういう目線で建物作り、コミュニティ作りを進められる人と一緒に
プロジェクトを進めていきたいので、誰とでも組んでできるわけではなく
慎重にならざるをえない。
オーロヴィルに通うことで自分を励ましつつ、自分の中のビジョンを明確にし続け
日本から世界を変えるために活動をする。
パイプ役になりつつ、
今の日本で自分が潰れないように
今を楽しみ学び、小さな活動を続け、
あるところでは時を待つ。
本当に同じビジョンとフェイズにいる人たちだったのでびっくり。
彼らには私たちが到着した次の日、カフェでお茶をしていたら出会えたのだけれど
なんとその日の夜に発つ予定だそうで、出会えたのも奇跡的。
こんな風に運命的な出会いや再会が待っているのがオーロヴィル。
きっと同じ星から来た人たちが
ここで新しい地球のコミュニティ作りという壮大な実験をしているのだろう。
オーロヴィルは創設53年くらいになって、
住民の高齢化が進んでいる。
最近は高齢者のための施設が作られ始めているそうだ。
とは言え、皆、日本のように薬や化学物質のせいで病気になって動けないとかではないので
ヨガができたりセラピーができたり、アーユルヴェーダを始めとする
自然療法の診察が受けられるするアパートとか施設とか
それぞれが結構活動的で安全に暮らすための仕掛けがある住居ができてきたということらしい。
子どもたちの学費も病院も無料。
移住者も増えているようなので、これから若い人たちもどんどん増えて行くだろう。
そしてこの村の意思を世界中に広めて行くだろう。
50年前、mother がここにオーロヴィルを作った時
おそらく彼女にはここまでのビジョンが見えていたのだろう。
世界中の人がここに学び、
問題を発見して、考え、解決して行く。
正解はないし、完全なる平和なんてないのかもしれない。
だけれど、皆が思い描くビジョンが時代とともに変わっていけば
そのバランスだって明るく軽くなって行くだろう。
ここにいると私は私であることに安心できる。
私が産まれて、生きてきて、学んできて
疑問を持って、今やっていること、
それらが間違っていなかったのだと
自分の人生に「yes」をもらえる氣がするのだ。
日本にいるとマイノリティーすぎて
自分がおかしいんじゃないかとか、流れやブームに飲まれたほうが楽なんじゃないかとか
ついつい自分であることに罪悪感のようなものを感じてしまうけれど
暮らしの中にアートやインテグラルヨガがあることが当たり前
経済より地球優先が当たり前、
アートも地球優先が当たり前のひとたちにかこまれていると
そうだよね、やっぱ私普通だよね!
と確信が持てる。
オーロヴィル2日目にして宣言します。

私は私の人生を通して
新しい地球に必要な感覚を美しく楽しくシェアします。

ダンスを通して、ヨガを通して、breathing art.(呼吸する芸術)を通して
未来を創る子どもたちに、いまを生きるオトナたちに
幸せのために本当に必要な感覚や、生き方の指針をシェアします。
そして私自身がいつもそれを感じていられるような暮らしを創造して生きます。

この地球がもっと楽しく美しい場所になるように。
明るく軽い場所になるように。
たとえ闇を抱えていたとしても
その闇のおかげで光がもっと美しく見えるように
ディテールを作っていきたい。
そのためのクリエイションを楽しく重ねていきます。
それが私にとっての踊ること。
それが私にとってのダンス。

私のダンスはいつの間にか舞台を飛び出して
地球全体に広がってしまったみたい。


より難しいことにチャレンジしたくなっちゃう。
誰もやっていないことにチャレンジしたくなっちゃう。
誰かが同じことを始めると辞めたくなっちゃう。

昔からの癖です。笑

これからも壮大に、
地球規模で
今度は家族みんなでクリエイション!  

今日から1週間ほど、雅人くん、ヒーリングコースを受講。
私の大好きな最高のヨガの先生のセラピーコースを私が勝手に選んで受けてもらっている。笑
そしてそのマッサージを私が受けようという魂胆。

なのでしばらくレンと2人で1日過ごす予定。
今日は今ハウスシェアをしている家族に送ってもらって図書館と私の大好きな楽器屋さんへ。

レンはなぜかドイツ語とフランス語の絵本を気に入り
真剣に読みまくる。
とにかく私でもうっとりしちゃうほど絵が素敵な本が多い。

レンも満足するまで外で遊んで、
帰りはいつものオーガニックスーパーに行ってハンドメイドのお花のジュースを飲んで
手つくりのライスクラッカーをおやつに買って
オーガニックのクロワッサンを食べて、隣の薪釜パン屋さんでベジサモサを食べる。
そしてテクテク森の中を歩いて帰宅。

子どもに安心しておやつを買ったり、外食したりできるのが本当に嬉しい。

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